認知症の徘徊対策を自宅で進める限界と、家族が夜も安心して眠るためのプロの頼り方
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訪問介護のメディアサイト編集チーム
大阪エリアの訪問介護・介護保険に関する情報を専門家監修のもと発信しています。ヘルパーの選び方・介護保険の使い方・家族の介護負担軽減など、現場目線でわかりやすく解説。介護に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
夜中にふと目が覚めると、玄関の鍵が開いていて親の姿がない。心臓が止まるような思いで夜道を捜し歩く――そんな恐怖と背中合わせの毎日を送っていませんか?「私がもっと見ていれば」「怒ってはいけないのに声を荒らげてしまった」と、ご自身を責める必要はまったくありません。あなたはもう十分すぎるほど頑張っています。認知症による徘徊は、ご家族の努力や注意だけで防げるものではありません。この記事では、自宅で今すぐできる具体的な徘徊対策から、介護保険を活用してご家族が夜にしっかり眠れる時間を作る方法、そしてプロを頼る重要性を大阪のベテランサ責が温かくお伝えします。読んだ後、きっと心がふっと軽くなりますよ。
なぜ自宅で認知症の徘徊が起きるのか?その理由とご本人の心理
徘徊(目的もなく歩き回るように見える行動)は、周りから見ると「意味のない行動」に思えますが、ご本人には必ず「歩き出さなければならない理由」があります。まずはその背景を知ることが、対策への第一歩になります。
「ここにいてはいけない」という不安と焦燥感
認知症が進行すると、自分のいる場所が分からなくなる「見当識障害(けんとうしきしょうがい)」が起こります。住み慣れた自宅にいるにもかかわらず、「ここは自分の家ではない」「早く自分の家に帰らんと、子どもたちが待っている」「仕事に行かなあかん」という強い焦りや不安に駆られ、外へ飛び出してしまうのです。大阪の現場でも、「昔の仕事場に向かおうとしていた」というおじいちゃんによく出会いました。
体調不良や環境の違和感を言葉にできないもどかしさ
「便意があるけれどトイレの場所がわからない」「お腹が空いたけれど冷蔵庫の使い方がわからない」「部屋が暑くて落ち着かない」といった不快感を、言葉でうまく周囲に伝えられないとき、そのイライラやモヤモヤが「歩き回る」という行動になって現れるケースも非常に多いです。ご本人の心の中は、常に強い不安で満たされていることを理解してあげてくださいね。
【現場の生の声】ご家族が直面する「徘徊介護あるある」と精神的限界
徘徊の介護は、数ある介護悩みの中でもトップクラスに肉体的・精神的な負担が大きいものです。現場を回る中で、私が実際にご家族から涙ながらに聞いた「介護あるある」をお話しします。「あぁ、うちだけやないんや」と思って、少し心を休めてください。
「夜中の物音で何度も目が覚める」極限の睡眠不足
一番深刻なのが、ご家族の睡眠不足です。夜中にガサゴソと音がするたびに「また外に出ていくんちゃうか」と飛び起きるため、緊張の糸が24時間途切れません。「寝室のドアの前に突っ張り棒をして、親が動いたら音が鳴るようにしているけれど、自分がノイローゼになりそう」というお嫁さんの訴えもありました。夜に眠れない生活が数ヶ月も続けば、誰だって限界を迎えて当然です。
「近所の人にどう思われているか…」世間の目と罪悪感
パジャマ姿のまま裸足で外を歩いているところをご近所の人に保護されたり、警察にお世話になったりすることが増えると、「恥ずかしい」「迷惑をかけて申し訳ない」と、ご家族が周囲に対して強い罪悪感を抱くようになります。その結果、世間の目を気にして実家に引きこもりがちになり、孤独をさらに深めてしまう悪循環に陥ってしまうのです。
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自宅で今すぐ導入できる効果的な徘徊対策と環境づくり
ご家族の心身の安全を守るため、まずは自宅の環境を整えて「外へ出ていきにくくする」「万が一のときにすぐ見つけられる」工夫をしましょう。今日からでも取り入れられる対策をご紹介します。
玄関や窓の鍵を工夫する(ダブルロックや認知症対応鍵)
一般的な鍵だと、ご本人が簡単に開けて出ていってしまいます。玄関の目の届かない高い位置や、逆に低い位置に補助錠(ダブルロック)を追加するのが効果的です。また、サムターン(内側のつまみ)を取り外せるタイプの鍵に交換したり、ダイヤル式の南京錠を一時的に取り付けたりすることで、ご本人が自力で開錠するのを防ぐことができます。
人感センサーや見守りカメラ、GPS機器の活用
- 人感センサーチャイム:ベッドから起き上がったときや、玄関に近づいたときにリビングでアラームが鳴るようにします。
- GPSお守り・靴:万が一外に出てしまった時のために、普段履く靴のインソールにGPS端末を仕込んだり、衣服に縫い付けたりしておくと、スマホで居場所を追跡できて発見が劇的に早くなります。
- 見守りカメラ:別室にいてもご本人の様子がスマホで確認できるため、つきっきりのプレッシャーが和らぎます。
介護保険の訪問介護で「できること・できないこと」
徘徊対策や日々の見守り負担を減らすために訪問介護(ヘルパーの派遣)を検討する際、介護保険には厳しいルールがあることを知っておく必要があります。ヘルパーに頼める家事や介助の範囲を表でまとめました。
| サービス区分 | ○ 介護保険でできること | × 介護保険ではできないこと |
|---|---|---|
| 身体介護 (本人の身体に触れる介助) |
・一緒にお散歩や買い物に同行する(徘徊欲求の充足) ・トイレの付き添い、排泄、入浴の介助 ・着替えや食事のサポート |
・ただ横に座って「何時間も付きっきりで徘徊を見守る」だけの対応 ・薬の仕分けや医療行為(吸引など※例外あり) |
| 生活援助 (本人の暮らしを支える家事) |
・本人が過ごす部屋の掃除や洗濯 ・本人のための食事の準備、調理 ・必要な日用品の買い物代行 |
・家族の部屋の掃除や、家族の分の調理 ・庭の草むしりや、窓ガラスの拭き掃除 ・ペットの世話や来客の対応 |
介護保険では、「ただ横に座って数時間じっと見守るだけ」という利用は原則として認められていません。しかし、「ヘルパーが身体介護として一緒にお散歩(外出介助)に同行し、歩きたい欲求を安全に満たすことで、夜間の徘徊を落ち着かせる」といった賢い使い方は十分に可能です。
保険外の「自費サービス」を組み合わせて見守り時間を確保するアイデア
「介護保険の枠だけでは、どうしても夜間の見守り時間が足りない」「昼間、自分が仕事に行っている間、ずっと話し相手になって徘徊を防いでほしい」という場合は、介護保険を使わない全額自己負担の「自費サービス」を組み合わせるのが非常に有効です。
自費サービスを導入することで得られる具体的なメリット
自費サービスには、介護保険のような「本人のみの家事」「見守りだけはダメ」といった細かいルールがありません。例えば、週に数回、介護保険のヘルパーが帰った後の2時間を自費サービスに切り替え、一緒に趣味の将棋を指してもらったり、昔のお話の相手をしてもらったりすることができます。ご本人の脳に適度な刺激が与えられて日中に活動的になれば、夜にぐっすり眠ってくれるようになり、結果として夜間徘徊の対策につながります。ご家族が「自分のための自由な時間」を作ってレスパイト(息抜き・休息)するためにも、なくてはならない選択肢です。
限界を迎える前に!今日から家族が起こすべき「次のアクション」
「もうこれ以上は耐えられへん…」と心が悲鳴を上げているなら、今すぐ次のステップへ進みましょう。誰もあなたを責めません。プロを頼る準備を始めましょう。
- ケアマネジャーに「夜も眠れず限界だ」と正直に伝える
すでにケアマネジャー(介護支援専門員)がついている場合は、徘徊の頻度や「自分の睡眠時間がどれだけ削られているか」をありのままに話してください。訪問介護の回数を増やしたり、夜間に介護をバトンタッチできるショートステイ(短期入所生活介護)の定期利用などを即座に提案してくれます。 - 地域包括支援センターへ相談の電話をかける
まだ介護保険の申請をしていない、あるいはどこに相談していいかわからない方は、お住まいの自治体の「地域包括支援センター」へ連絡してください。認知症の初期対応から、介護保険申請の手続きまで、すべての窓口になって伴走してくれます。 - 訪問介護事業所に問い合わせてプロの知恵を借りる
「家の中にヘルパーを入れるのを親が嫌がる」という場合も、私たちサ責にご相談ください。認知症の方への声かけの技術を持ったプロのヘルパーが、ご本人の自尊心を傷つけないようにアプローチし、徐々に受け入れてもらえるようなケアプランを一緒に組み立てていきます。
介護をされているあなたへ
大切な親御さんのために、夜も眠れず孤独に闘っているあなたは本当に立派です。でもね、これ以上一人で抱え込まなくていいんですよ。助けを求めることは、決して家族の責任を放棄することでも、逃げることでもありません。プロの手を借りることは、お互いが笑顔で穏やかに暮らすための優しさです。私たちはいつでもあなたの味方ですからね。
訪問介護のメディアサイト編集チームによく寄せられるご質問
Q. 自宅の徘徊対策としてGPSを導入したいのですが、費用はどのくらいかかりますか?介護保険は使えますか?
A. 一般的な認知症徘徊用のGPS機器は、初期費用(端末代)が数千円〜1万円前後、月額の利用料が1,000円〜2,000円程度で導入できるものが多いです。残念ながらGPS機器の「購入や通信費」自体に介護保険は適用されませんが、ケアマネジャーを通じて「福祉用具レンタル」として認知症老人徘徊感知機器(認知症の方の外出をセンサーで検知する福祉用具)をレンタルする場合は、介護保険が適用され、自己負担1割〜3割(月数百円程度)で利用できる場合があります。まずはケアマネジャーに費用のシミュレーションを相談してみるのが一番確実ですよ。
Q. 徘徊する親をヘルパーさんにお願いしたいのですが、もし訪問中に勝手に外へ出て事故に遭ったら責任はどうなりますか?
A. 訪問介護のサービス時間中に、ヘルパーの明らかな不注意や過失によってご本人が外に出てしまい事故が起きた場合は、事業所が加入している「介護事故賠償責任保険」の適用範囲となり、事業所側が責任を負う仕組みになっています。ただし、不可抗力による突発的な行動などの場合もあるため、事前に「どのような徘徊の傾向があるか」「鍵の開け方のクセ」などを、サ責やヘルパーと細かく共有しておくことが大切です。私たちも細心の注意を払って大切な親御さんの安全をお守りしますので、過度に心配せず信頼して任せてくださいね。
Q. 本人が「ヘルパーなんか泥棒や!」と怒って、家に受け入れてくれない時はどう対策すればいいですか?
A. 無理にご家族が説得しようとせず、私たちプロのスタッフにお任せください。認知症の「物取られ妄想」や他者への警戒心は、真正面から否定すると逆効果になります。現場では、ヘルパーを「介護の人」ではなく、「市役所の防犯点検の者です」「お近くのボランティアの挨拶回りです」といった自然な名目で訪問させ、まずは顔を覚えてもらい、お茶を飲む関係からスタートする工夫をしています。ご家族が一人で悪者になる必要はありませんので、困ったときこそ私たちを上手に盾として使ってくださいね。
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【免責事項】
本記事は一般的な介護・福祉情報の提供を目的としており、特定のサービス利用を推奨するものではありません。介護保険の適用範囲・サービス内容・費用等はお住まいの市区町村や事業所によって異なります。実際のサービス利用・手続きについては、担当のケアマネジャーまたは地域包括支援センターにご確認ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

